GLP-1ダイエットで保険適用できる？ウゴービ情報と自由診療の注意点

この記事は、5分で読めます。

「GLP-1ダイエットで保険適用はできる？」

という質問に結論からお伝えすると、GLP-1ダイエットに保険適用は可能です。

しかし、一定の条件を満たす必要があります。

この記事では、近年大きな注目を集めている、“GLP-1受容体作動薬（ウゴービ）を使用した肥満治療の保険適用” に焦点を当て、詳しく解説します。

加えて、「保険適用されるほどの肥満症ではないけれど、美容や痩身のために薬を使いたい」という人に向けた注意事項や、自由診療の選択肢についても触れています。

GLP-1ダイエットの全体像を理解し、心身の健康や経済面（費用）も含めた賢い選択ができるように、知識を深めていきましょう。

クリニック	特徴
DIOクリニック	医療ダイエット専門のクリニック （来院診療） 詳しく見る
ファイヤークリニック	複数のダイエット薬に対応 （来院診療） 詳しく見る
DSクリニック	定額プランで継続的にダイエットできる （来院診療） 詳しく見る

GLP-1ダイエットと保険適用の基礎情報

さっそく、冒頭で触れた「GLP-1ダイエットが保険適用になる要件」について、基礎情報から確認していきましょう。

• そもそもGLP-1ダイエットとは
• 保険適用の可能性がある薬は「ウゴービ」のみ

順番に紹介していきます。

そもそもGLP-1ダイエットとは

そもそもGLP-1ダイエットとは、「GLP-1受容体作動薬を用いたメディカルダイエット」を指す言葉です。

GLP-1受容体作動薬は、糖尿病の治療に用いられてきた薬です。

おもに膵臓に作用してインスリンの分泌を促し、血糖値を下げるはたらきがあり、具体的には体内で「GLP-1（ジーエルピーワン）」と同様の作用をします。

GLP-1とは、もともと私たちの体内にあるホルモンです。

上記のとおり、GLP-1は血糖値を上がりにくくし、食欲を抑えるので、体重減少にもつながる仕組みです。

保険適用の可能性がある薬は「ウゴービ」のみ

糖尿病治療薬として、厚生労働省から承認を受けているGLP-1受容体作動薬は、バイエッタ、ビクトーザ、リキスミア、ビデュリオン、トルリシティ、オゼンピック、リベルサスなど、さまざまな種類があります。

しかし、これらは糖尿病の治療のための処方でなければ、保険適用外となります。

「肥満症」の治療として保険適用の可能性があるGLP-1受容体作動薬は、皮下注射薬の「ウゴービ」のみです。

なお、ウゴービは2023年1月に肥満症を対象疾患として承認されたばかりの、新しい薬です。

2024年11月時点では、肥満症の治療にて保険適用の可能性がある薬はウゴービのみですが、今後、新しい薬の申請・承認があれば、選択肢が広がる可能性はあります。

ウゴービが保険適用となる条件

前述のウゴービが保険適用となる条件は、医療機関で「肥満症」と診断されて、治療のためにウゴービが必要であると医師と判断して処方した場合です。

具体的な基準は、以下のとおりです。

詳しくは以下で解説しますが、保険適用になるか確かめるには、BMIの数値が必要となります。

• 前提条件
• BMIが27未満：保険適用外
• BMIが27以上35未満：条件付きで保険適用
• BMIが35以上：保険適用

前提条件

まずウゴービが処方される前提条件として、以下ふたつの項目があります。

• 高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかひとつ以上の診断がなされていること。
• 食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られていないこと。

まずはご自身が上記に当てはまるかどうか、確認しましょう。

そのうえで、BMIごとの条件の詳細は、以下に続きますのでご覧ください。

BMIが27未満：保険適用外

まず《BMIが27未満》の人は、ウゴービは保険適用となりません。

BMI27未満でウゴービを使いたい場合、保険が適用されない自由診療の扱いであれば可能です。

自由診療については後述しますので、続けてご覧ください。

BMIが27以上35未満：条件付きで保険適用

《BMIが27以上35未満》の人は、「ふたつ以上の肥満に関する健康障害を有する」という条件付きで、保険適用となります。

“肥満に関する健康障害” は以下です。

上記のうちふたつ以上の健康障害があれば、BMIが27以上35未満の人でも、ウゴービが保険適用となります。

BMIが35以上：保険適用

《BMIが35以上》の人は、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかひとつ以上の診断がなされていれば、ウゴービの処方の対象となります。

ウゴービ投与による肥満症治療にかかる費用

ウゴービを投与して肥満症治療に取り組んだ場合、どの程度の費用がかかるのか、見ていきましょう。

• 1本あたりの薬価
• 使用量および回数

1本あたりの薬価

ウゴービは注射剤であり、含有量ごとに0.25mg・0.5mg・1.0mg・1.7mg・2.4mg の5つがあります。

それぞれの薬価は、以下のとおりです。

含有量	1本あたりの薬価	保険適用（3割）の自己負担額
0.25mg	1,876円	562円
0.5mg	3,201円	960円
1.0mg	5,912円	1,773円
1.7mg	7,903円	2,370円
2.4mg	10,740円	3,222円

使用量および回数

ウゴービの使い方は、以下の画像のとおりです。

最小量から投与開始して徐々に増やし、最終的には2.4mgを週1回で継続するのが通常の投与となります。

2.4mgの薬価は10,740円（3割の保険適用で3,222円）であることから、1ヶ月（4週間）の費用は以下のとおり算出できます。

【2.4mg 4週間分の費用】

保険適用なし（自由診療）	保険適用あり（3割）
10,740円×4週間 42,960円	3,222円×4週間 12,888円

なお、実際には、上記のほかに診察料などがかかるほか、自由診療では実勢価格となり、薬価にかかわらず変動することがあります。

ウゴービの処方ができるクリニックは限定的

「自分は、ウゴービを処方してもらえる要件に当てはまりそうだから、受診したい」

という人は、ウゴービの処方ができるクリニックは限られている点にご注意ください。

詳しくは以下で解説します。

• ウゴービは2024年2月販売開始
• ウゴービの最適使用推進ガイドライン

ウゴービは2024年2月販売開始

ウゴービの販売開始は2024年2月となっています。

しかしウゴービの取り扱いは各クリニックで異なるので、問い合わせてみることがおすすめです。

処方不可の案内を出すクリニックがある理由として、ウゴービを処方するためには、最適使用推進ガイドラインを満たす施設である必要があるためです。

ウゴービの最適使用推進ガイドライン

最適使用推進ガイドラインとは、不適切な処方を防ぐために、対象医薬品を処方するうえで必要な医療機関の要件を厚生労働省が示したものです。

ウゴービは対象医薬品として指定されており、施設・医師・管理体制などの厳しい要件が設けられています。

要件の詳細は、厚生労働省「セマグルチド（遺伝子組換え）製剤の最適使用推進ガイドライン（肥満症）の作成について」にて確認できます。

保険適用外の自由診療でGLP-1ダイエットをしたい人へ

GLP-1受容体作動薬の保険適用を受けるためには、治療を要する重度の肥満症である必要があります。

標準体重以下の人が、痩身や美容の目的で、GLP-1受容体作動薬の保険適用を受けることはできません。

「保険適用されないなら、自由診療（*1）で処方してもらいたい」と希望する人向けの情報を、以下にまとめましたので、ご一読ください。

*1：自由診療とは保険外診療のことをいい、保険が適用されず全額患者の自己負担となる診療です。
美容医療や未承認の医薬品を使う先進医療などは、自由診療に該当します。

• 公的機関からの注意喚起を把握する
• 副作用について理解する
• 薬を使う以外の努力を十分にする

公的機関からの注意喚起を把握する

自由診療は、基本的には自分の意思で受けることができます。

しかしながら、GLP-1受容体作動薬のダイエット目的の使用に関しては、公的機関が注意喚起していることを知っておきましょう。

GLP-1受容体作動薬を必要とする、糖尿病の患者さん分の在庫が少なくなり、厚生労働省から協力依頼の要請が出ています。

• GLP-1 受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼（厚生労働省）
• GLP-1受容体作動薬の在庫逼迫に伴う協力依頼（その 2）（厚生労働省）

在庫の問題だけでなく、ダイエット目的でのGLP-1受容体作動薬の利用をめぐって、トラブルも起きています。

消費者庁や厚生労働省、業界団体が、注意を促しています。

• 痩身目的等のオンライン診療トラブル（独立行政法人国民生活センター）
• 美容医療を受ける前にもう一度（厚生労働省・消費者庁・独立行政法人国民生活センター）
• GLP-1 受容体作動薬および GIP/GLP-1 受容体作動薬の適応外使用に関する 日本糖尿病学会の見解（一般社団法人 日本糖尿病学会）

GLP-1受容体作動薬の利用を検討中の人は、メリットだけでなく上記のような情報にも触れたうえで、総合的な判断をしてください。

副作用について理解する

GLP-1受容体作動薬は医薬品のため、効果が期待できる半面、身体への副作用もあります。

以下は厚生労働省の文書からの引用です。

プラスの面だけに着目せず、マイナスの面もよく理解したうえで、本当に自分にとって必要なのか判断することが大切です。

薬を使う以外の努力を十分にする

薬を使ったダイエットは、「自力で痩せる努力をしてきたけれど、どうしても難しかった」という事情のある人にとっては、大きな助けとなり得る選択肢です。

しかしながら、「努力をせずに、ラクして痩せたい」という安易な気持ちで使うのは、おすすめできません。

身体への副作用や、費用面での負担が少なくないからです。

“飲むだけでラクして痩せられる” とイメージするほど、簡単ではありません。

加えて、そもそもGLP-1受容体作動薬の服用だけで、痩せられるわけではありません。

ウゴービの説明書には、〈この薬の使用中は食事療法・運動療法を継続してください〉と記載があります。

“薬を使う以外の努力” として具体的になにを何をすればよいのか、取り組みのヒントを、以下にご紹介します。

• 食物繊維とタンパク質を多く取る：食物繊維とタンパク質は、血糖値の上昇を抑え、満腹感を高める効果があります。
• 糖質を控える：糖分の多い飲料やスイーツから多量の糖分を摂取すると、血糖値が上昇し、体重増加の原因となります。糖質量の低い食べ物や低GI（*2）の食品を積極的に選択しましょう。
• 自炊の食事を増やす：加工食品や外食・テイクアウトを控えると、自然にカロリーや糖質の摂取を抑えやすくなります。
• 運動量を増やす：体を動かすと消費カロリーが増え、痩せやすくなります。心身の健康にも効果的で、ストレスからの暴飲暴食の予防にもつながります。
• 十分な睡眠をとる：睡眠が不十分だと食欲に関係するホルモンが乱れ、太りやすくなります。活動量を減らす原因にもなるため、しっかり眠ることが重要です。

*2：GI（グリセミックインデックス）とは食品を食べた後の血糖値の上昇度合いを示す指数です。低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにして、肥満のリスクを低減します。

自由診療でGLP-1ダイエットの処方が受けられるクリニック7選

さまざまな事情や背景を理解したうえで、それでもなお、GLP-1受容体作動薬が必要だという判断をされる人もいるでしょう。

自由診療で、GLP-1受容体作動薬の処方が受けられるクリニックを紹介します。

来院診療・オンライン診療ともに紹介していきますので、ご自身にあったクリニックを見つけてみてください。

クリニック	説明	公式サイト
DIOクリニック	医療ダイエット専門のクリニック （来院診療） >詳細を確認する	公式サイト
ファイヤークリニック	複数のダイエット薬に対応 （来院診療） >詳細を確認する	公式サイト
DSクリニック	定額プランで継続的にダイエットできる （来院診療） >詳細を確認する	公式サイト
DMMオンラインクリニック	複数のダイエット薬に対応した オンライン診療サービス （オンライン診療） >詳細を確認する	公式サイト
MYビューティクリニック	女性医師の診察を受けられる （来院診療） >詳細を確認する	公式サイト
eLifeオンラインクリニック	朝7時から夜10時まで診察OK （オンライン診療） >詳細を確認する	公式サイト
エミシアクリニック	LINEで医師に無料相談 （オンライン診療） >詳細を確認する	公式サイト

まとめ

本記事では「GLP-1 ダイエットの保険適用」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

• GLP-1ダイエットとはGLP-1受容体作動薬を使うアプローチのこと
• 保険適用の可能性がある薬は「ウゴービ」のみ
• ウゴービは肥満症とその合併症により必要と診断されなければ保険適用にならない
• ウゴービを処方できる医療機関にも厳しい要件があり、要件を満たせる医療機関は限られている

保険適用外の自由診療でGLP-1ダイエットをしたい人は、以下をご確認ください。

1. 公的機関からの注意喚起を把握する
2. 副作用について理解する
3. 薬を使う以外の努力を十分にする

自由診療でGLP-1ダイエットの処方が受けられるクリニックとして、7つをご紹介しました。

1. DIOクリニック
2. ファイヤークリニック
3. DSクリニック
4. DMMオンラインクリニック
5. MYビューティクリニック
6. eLifeオンラインクリニック
7. エミシアクリニック

糖尿病の人向けの薬の在庫問題や、GLP-1受容体作動薬の服用による副作用など、GLP-1ダイエットには向き合うべき課題も多くあります。

ご自身に必要かよく吟味し、本当に必要な場合には、取り扱いのあるクリニックに相談してみましょう。