初期脱毛とは？メカニズムや続く期間・うまく乗り越える対処法

「AGA治療でよく聞く、“初期脱毛”って何？」

「今より髪の毛が少なくなるのは心配……」

このような不安を抱えているところかもしれません。

初期脱毛とは、「AGA治療を開始した初期」に見られる脱毛のことです。

AGA治療の効果を引き出すためには、初期脱毛に対する正しい理解が不可欠です。

知識なしに取り組んでしまうと、初期脱毛に驚いて治療を継続できず、結果として本格的な薄毛が進行しかねません。

この記事では、初期脱毛の基礎知識からメカニズム、適切な対処法まで詳しく解説します。

初期脱毛の理解を深めることで、AGA治療の正しい進め方がわかります。

不安を解消し、前進できるようにしていきましょう。

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初期脱毛の基礎知識

初期脱毛は、AGA（男性型脱毛症）治療の初期段階で見られる現象です。

初期脱毛は、使用した治療薬の反応として起こります。

以下で詳しく見ていきましょう。

初期脱毛とは何か

「初期脱毛」とは、とくにミノキシジルを使ってAGA治療を開始した初期に、一過性の抜け毛の増加が見られる現象です。

一時的に見た目が損なわれることがあるため、知識がないと治療継続を断念してしまうリスクがあります。

初期脱毛は、薄毛が悪化したのではなく“AGA治療薬に反応した結果” と理解することが大切です。

別の表現をすれば、これから新しい髪が生える準備過程で見られる、健康な髪の成長プロセスといえます。

初期脱毛が起きるメカニズム

なぜ初期脱毛が起きるのでしょうか。

その理由は、AGA治療薬によって、髪の成長サイクルが変化するからです。

髪の毛は「毛周期」と呼ばれるヘアサイクルによって、［成長期］⇒［退行期］⇒［休止期］を繰り返しています。

AGAを患うと、このヘアサイクルが乱れるため、うまく髪が育ちません。

AGA治療の目標は、この乱れたヘアサイクルを正常化させることです。

ヘアサイクルが、AGA治療によって活性化されると、現在生えている髪の毛が早期に休止期に入り、自然に抜け落ちていきます。

同時に新しい髪の毛の成長も始まっていますが、目に見えて確認できる状態に成長するまでに、3〜6ヶ月の期間が必要です。

よって、「臨床的な改善が観察されるよりも前に、脱毛期間が生じる」のが、初期脱毛のメカニズムです。

初期脱毛の時期・期間

初期脱毛は、AGA治療を開始してから、10日〜1ヶ月ほどで起こるとされています。

初期脱毛は、一時的な現象であり、最大3ヶ月程度で自然に治まることが一般的です。

治療がうまくいき、ヘアサイクルが正常化されると、健康な髪の成長が促進されます。

次に生えてくる髪の毛からは、毛球が太く長く成長し、抜けにくくなることが期待されます。

AGA治療薬によって異なる初期脱毛の程度

初期脱毛の発生頻度や程度は、AGA治療薬によって異なります。

結論からいえば、初期脱毛が強く出やすいのは「ミノキシジル」です。

一方、フィナステリドやデュタステリドは、初期脱毛が起きにくい治療薬です。

以下でそれぞれ解説します。

初期脱毛【強】ミノキシジル

ミノキシジルは、AGA治療における主要な薬剤のひとつです。

ミノキシジルは血管を拡張し、毛母細胞（毛の根元にある毛球にある細胞）への栄養供給を促進することで、髪の成長を助けます。

毛母細胞を直接的に活性化してヘアサイクルを早めるため、初期脱毛が起きやすいです。

ミノキシジルには、頭皮に塗布する外用薬と経口から摂取する内服薬があり、初期脱毛は外用薬・内服薬のどちらでも生じる可能性があります。

内服薬のミノキシジルの研究によると、ミノキシジルの初期脱毛は、治療開始時の脱毛は、32％の患者で報告されています。

初期脱毛【弱】フィナステリド / デュタステリド

ミノキシジルのほかに、代表的なAGA治療薬としては、「フィナステリド」や「デュタステリド」があります。

• フィナステリド（商品名：プロペシア）
• デュタステリド（商品名：ザガーロ）

フィナステリドやデュタステリドは、男性ホルモンの一種であるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑制することにより、抜け毛の原因となるDHTの濃度を減少させる仕組みです。

ヘアサイクルを直接的に活性化するミノキシジルとは、作用機序が異なります。

よって、「フィナステリド」や「デュタステリド」では、初期脱毛はほとんど起こらないという見解が一般的です。

関連記事：フィナステリドは通販で購入できる？

AGA治療での初期脱毛が不安な人の3つの選択肢

「AGA治療をしたいけれど、初期脱毛が不安」という場合、3つの選択肢があります。

1. ミノキシジルを使わない
2. ミノキシジルとフィナステリドやデュタステリドを併用する
3. 一時的なものであることを理解して受け入れる

それぞれ、見ていきましょう。

ミノキシジルを使わない

1つめの選択肢は「ミノキシジルを使わない」です。

ミノキシジルは、発毛効果を実感しやすい半面、初期脱毛も強くなりやすい傾向にあります。

どうしても初期脱毛を回避したい人は、ミノキシジルを使わないことが直接的な解決策です。

ミノキシジルとフィナステリドやデュタステリドを併用する

2つめの選択肢は「ミノキシジルとフィナステリドやデュタステリドを併用する」です。

これは、「ミノキシジルは使いたいけれど、できる限り初期脱毛を軽減したい」という人向けの選択肢です。

2023年のMichael Kaiserらの文献には以下の記述があり、フィナステリドとミノキシジルを併用することで、初期脱毛を軽減できる可能性が示唆されています。

フィナステリド外用剤がAGAの有効な治療選択肢として登場したことで、臨床医は、ミノキシジル外用剤とフィナステリド外用剤を併用し、両治療の有効性を高めようと試みている。
（中略）5%のミノキシジル外用剤と0.1%のフィナステリド外用剤を併用することで、毛髪密度が維持され、脱毛が予防されることも示されている。

Kaiser et al.「Treatment of Androgenetic Alopecia: Current Guidance and Unmet Needs」
※日本語訳はDeepLによる

上記はまだ研究過程の話ではありますが、AGA治療の主治医とよく相談しながら、併用を検討してみましょう。

一時的なものであることを理解して受け入れる

3つめの選択肢は「一時的なものであることを理解して受け入れる」です。

予算の都合や、効果および副作用に対して検討した結果、ミノキシジルのみでAGA治療をしたい場合には、初期脱毛を受け入れる心の準備をして、治療に取り組んでいきましょう。

ミノキシジルの内服薬で初期脱毛が起きた人は、3割ほどでした。

• すべての人に初期脱毛が起きるとは限らない
• 起きたとしても一時的な現象

上記のことをよく理解していれば、必要以上に不安になる必要はありません。

加えて初期脱毛の時期を乗り越えやすいスケジュールで、AGA治療をスタートする工夫も役立ちます。

たとえば、大勢の人の前に立つイベントの時期を避けたり、長期休暇が取れる人は休暇のタイミングに合わせるなどです。

初期脱毛を軽減するためにできる3つのこと

初期脱毛を軽減するために役立つセルフケアとして、3つの方法をご紹介します。

1. 正しく洗髪する
2. 十分な睡眠と栄養を取る
3. ストレスをためない

正しく洗髪する

1つめは「正しく洗髪する」です。

ミノキシジルの医薬品の説明書には、以下のとおり記載があります。

お使いになる方の髪質や1ヵ所への集中塗布等により、ごわつき感が出たり、くし通りが悪くなったり、 部分的に白くなる （成分の結晶化） ことがあります。
毎日洗髪を行い、頭皮を清潔にして、 用法・用量を守ってお使いください。

引用：日本ジェネリック「ミノキシジルローション5% JG」 

毎日洗髪を行い、頭皮を清潔にしておくことが大切です。

十分な睡眠と栄養を取る

2つめは「十分な睡眠と栄養を取る」です。

初期脱毛を早く乗り越え、新しい髪の育成をサポートするためには、十分な睡眠と適切な栄養が欠かせません。

身体は睡眠中に修復と再生のプロセスを行い、髪の健康もこれに大きく左右されます。

食事面では、非常に多くの栄養素が、髪の成長と健康に関わりを持っていきます。

睡眠と栄養のポイント

十分な睡眠	身体の修復と再生に必要な睡眠を確保します。7〜8時間の質の良い睡眠は、髪の健康に効果的です。
バランスの取れた食事※	髪の成長に必要なビタミン、ミネラル、タンパク質を含む食事を摂取します。 ※バランスの取れた食事の基本は「主食・主菜・副菜」をそろえることです。
水分摂取	十分な水分を摂取し、身体と頭皮の水分バランスを保ちます。

ストレスをためない

3つめは「ストレスをためない」です。

ストレスの蓄積は、脱毛を悪化させる可能性があります。

初期脱毛の軽減には、ストレス管理が重要です。

リラクゼーション方法を見つけることで、ストレスの影響を緩和し、毛髪が伸び伸びと育つ環境を作りましょう。

ストレス管理の方法の例

リラクゼーション	深呼吸・瞑想・ヨガなど、心を落ち着かせてリラックスできる時間を、日常の中に組み込みます。
適切な休息	定期的に休息を取り、心身のリフレッシュを図ります。たとえば、週末には趣味の時間を設けるなどして、ストレスを発散してください。
運動習慣	運動はストレスを軽減し、心身を健康に整えます。ウォーキングやジョギングなど、無理なく続けられる運動を、習慣化しましょう。

不安なときは専門家に相談することが大切

AGA治療において、不安や疑問が生じたときは専門家への相談が重要です。

AGA治療に使用する薬剤には、初期脱毛だけでなく以下のような副作用があらわれることがあります。

AGA治療薬にみられる副作用

薬剤	関係部位	症状
ミノキシジル（外用）	皮膚	頭皮の発疹・発赤、使用部位の熱感、ふけ、かゆみ、かぶれ等
	精神神経系	頭痛、めまい、気が遠くなる
	その他	手足のむくみ、急激な体重増加、心拍が速くなる、胸の痛み
フィナステリド	生殖器	リピドー減退、勃起機能不全、精液の質の低下等
	その他	そう痒症、発疹、乳房肥大、抑うつ症状など
デュタステリド	生殖器	性機能不全、乳房障害、精巣痛など
	その他	頭痛、蕁麻疹、味覚異常、腹痛、脱毛／多毛症、倦怠感など

初期脱毛の不安や、上記のような副作用がみられる場合には、一人で悩まずに専門家へ相談しましょう。

適切なアドバイスとサポートを得ることで、治療の効果を高め、心理的な負担を軽減できます。

初期脱毛に対する不安がとくに強い人は、副作用へのフォローに力を入れているクリニックへの相談をおすすめします。

AGA治療におすすめのクリニック8選

AGA治療におすすめのクリニックをご紹介します。

クリニック	説明	公式サイト
DMMオンラインクリニック	24時間診療に対応 （オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
CLINIC FOR（クリニックフォア）	土日も診療可能 （オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
AGAヘアクリニック	オンライン診療にも対応 （来院診療・オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
AGAスキンクリニック	全国展開でアクセスしやすい （来院診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
駅前AGAクリニック	重症円形脱毛症や抜毛症の治療も実施 （来院診療・オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
スマイルAGAクリニック	処方薬以外のアプローチも実践 （来院診療・オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
東京AGAクリニック	完全予約制・個室診療でプライバシーに配慮 （来院診療） ＞詳細を確認する	公式サイト
湘南美容クリニック	全国展開&オンライン診療も可能 （来院診療・オンライン診療） ＞詳細を確認する	公式サイト

※監修者はクリニック選定には関わっていません。

クリニック選びの参考にしてみてください。

まとめ

本記事では「初期脱毛」をテーマに解説しました。

初期脱毛の基礎知識として、以下を解説しました。

• 初期脱毛とはAGA治療の初期に見られる一時的な脱毛のこと
• 治療開始10日〜1ヶ月から見られ最大3ヶ月続く
• ミノキシジルで多く見られる（フィナステリド・デュタステリドでは初期脱毛はほぼない）

AGA治療での初期脱毛が不安な人の3つの選択肢として、以下をご紹介しました。

1. ミノキシジルを使わない
2. ミノキシジルとフィナステリドやデュタステリドを併用する
3. 一時的なものであることを理解して受け入れる

初期脱毛を軽減するためにできる3つのことは、以下のとおりです。

1. 正しく洗髪する
2. 十分な睡眠と栄養を取る
3. 十分な睡眠と栄養を取る

初期脱毛はあくまでも「一時的な現象である」ことを十分に理解し、治療を続けていくことが大切です。

不安があれば、AGAクリニックの医師に相談し、専門的なアドバイスを得ながら取り組んでいきましょう。