目次
遠隔診療の今後の展望
未来投資戦略2017における遠隔診療の内容とは、政府は2017年6月9日に「未来投資戦略2017」を閣議決定しました。その中で第一に掲げているのが「健康・医療・介護」の分野で、遠隔診療に関しても言及されています。
未来投資戦略2017とは人工知能やロボットなどの革新的技術を積極的に取り入れて、様々な社会問題を解決する「Society5.0」を実現するための政府施策です。
Society5.0とは狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会に続く5番目の未来社会のことです。社会の方向性を決める施策の中で遠隔診療が明示されているのは、今後の医療を考える上で非常に重要なポイントになります。
未来投資戦略2017で言及された内容は、オンライン診察を組み合わせた糖尿病等の生活習慣病患者への効果的な指導・管理や、血圧・血糖などの数値を、遠隔モニタリングを活用することで早期の重症化予防、対面診療と遠隔診療を適切に組み合わせて、効果的かつ効率的な医療が提供できるものについては、次期診療報酬改定で評価を行うものとするとしています。さらに有効性・安全性等に関する知見を集積し、2020年度以降の改定でも反映させていく。
とあります。つまり、これからはあらゆる疾病に対し積極的に遠隔診療を取り入れて医療を進め、効果的なものは診療報酬にも反映させて行くという内容なのです。
遠隔診療の導入により変わる未来の医療
今後、遠隔診療が積極的に導入されていくとどのような効果があるのでしょうか。患者側からするとまず身体的・経済的負担が軽減されるでしょう。
重症でもない場合、「しばらく通院を続けて薬をもらうだけ」というケースも少なくありません。たった2~3分の診療のために、通院するのは面倒ですよね。遠隔診療が進めば、通院する必要がなく交通費もかかりませんし、診療を受けるために何時間も待たなくてよくなるのです。
また、負担軽減は患者だけでなく医師の方にもあります。現在、少子高齢化が進む中ですでに医師の数が足りません。
外来の対面診療だけの対応では限界があるため遠隔診療が進めば、時間を効率的に使えるので今よりも診療の数をこなせるようになります。
最近のテクノロジー進歩のスピードはめざましいものがあり、10年も経てば今では想像ができないこともできるようになっている可能性は十分にあるでしょう。
未来の医療現場では遠隔診療が当たり前で、特別な事情がある場合に限り、クリニックに足を運んで対面診療になるような社会になっているかもしれません。