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従来の美容医療に加え、「美容再生医療」を担うとも言われているヒト幹細胞培養上清液。「培養上清液はどのようなことが期待できるの?」「選ぶポイントがわからない」これらを実際に医療機関へ提供している担当者がわかりやすく説明してくれました。※こちらは医師または医療業界者向けの記事となります。
1.美容再生医療が注目される理由
アフターコロナ、withコロナ時代に入り、人々の健康志向の高まり、予防医療や再生医療などの健康への投資意識も高まっています。
今、話題になっているヒト幹細胞培養上清液をご存じでしょうか。スキンケア化粧品や育毛剤で知られる培養上清液を使ったこれからのアンチエイジング療法が、今もっとも期待されているものの一つです。男女問わず使用でき、健康維持や疾患の予防、アンチエイジングなど、幅広い効果が期待できる「次世代再生医療 / ヒト幹細胞培養上清治療」をご紹介いたします。
従来の美容医療はご存じの通り、ヒアルロン酸注入、ボトックス注射、医療ハイフ、ピーリングなど、即効性のあるものがポピュラーです。
ですが、美容再生医療とは、細胞レベルのアンチエイジング療法です。老化した細胞や組織、損傷した細胞に働きかけて、本来持っている機能の修復を促す指令をだすサイトカインやエクソソームを使う安心安全な方法となります。
最近、幹細胞を用いた製品を頻繁に見るようになりました。そもそも幹細胞とはどのようなものなのでしょうか?
幹細胞は、「自己複製能」や「多分化能」という能力があり、失われてしまった機能を改善させる効果があると、世界中で研究が進められています。
幹細胞を培養し、細胞そのものを移植する幹細胞治療という治療法がありますが、その治療と同じ効果が期待でき、低コストで身体への侵襲がない幹細胞培養上清治療という方法が、次世代再生医療として定着しつつあります。
美容の分野では、特に皮膚へもたらす効果について期待が寄せられており、美容再生医療という次世代の美容医療がここから始まりつつあります。実際に一般患者層からも美容医療の方法の一つとして培養上清治療が注目されています。
MRT株式会社 経営企画室 横山 亜矢子
総合病院勤務を経てMRTへ入社。2019年より社長室勤務。2020年同社経営企画室にて再生医療事業の一環として幹細胞培養上清取り扱いを開始。主要メンバーとして数々の医療機関へ導入アドバイスを行う。
2.培養上清治療について
幹細胞を培養するときに、幹細胞は500種類以上のタンパク質を含む成分を分泌します。
分泌液の中にはサイトカイン(成長因子)と呼ばれる細胞活性のカギとなる情報伝達物質が豊富に含まれていて、体内の損傷を受けた組織や細胞の機能回復に重要な役割を果たします。老化などにより衰えた細胞の回復を後押しするため、美容に対するさまざまな効果が期待される治療法です。
この治療法は幹細胞培養上清液という、細胞を培養時の上澄み液を使用するため、細胞は入っていません。別名細胞フリー療法と呼ばれ、免疫拒絶やアレルギーなどがない、安全な治療法となっています。
◇培養上清液の特徴と機能
- 炎症を抑える機能アリ
破壊された組織や臓器には自覚症状がなくても炎症が起こっています。けがをしたときなど、皮膚に炎症が起こり様々な支障をきたします。その炎症を抑える機能があり ます。傷がついた細胞の回復を促し、正常な細胞に再生する働きが期待できます。 - 体内の幹細胞を活性化させる機能アリ
加齢によって再生機能が低下している細胞へ働きかけ、幹細胞本来の機能を呼び戻す機能があります。傷がついた幹細胞を健全な幹細胞への増殖を促します。
◇投与方法について
培養上清の利用に関しては目的や期待する効果により、投与方法を変えることが可能です。 投与方法とともに、組織・臓器に対する作用と期待される効果も併せてご紹介致します。
「培養上清液の投与方法」VANTAGEより引用 |
培養上清液とひと口にいっても、様々なものが存在します。研究用培地からつくられた培地情報がないもの、価格が極端に安価なもの、保管管理情報がないものなどが存在します。製品を選ぶポイントは「安全性」です。そこを軽視してはいけません。
そこで、安全性の高い培養上清液を選ぶポイントを説明します。
◇安全性について
製品の安全性の担保は、ドナースクリーニングを徹底して行っているところといえます。
品質管理体制として、大元となる幹細胞の安全性をどこまで担保するかが大きなポイントとなってくると思います。
市販の細胞や研究用の培地から製造している場合、大元の培地は研究用に販売されているため、ドナー情報やウイルス検査等の項目はかなり曖昧です。日本人ドナー又は海外ドナーであることもさながら、既往歴などの情報も把握できないため、トレーサビリティが取れないというリスクがあります。
海外でいえば、薬機法の生物由来原料基準に合致しないものを使って製造しているメーカーがほとんどかもしれません。それは、今現在、培養上清液に関する法令法規がないのが現状なので、責任の所在がどこにあるのかが明確にされないまま実際に患者様へ治療を行う先生方へのリスク管理として、安全性の高い製品を使用するということが極めて大事なことといえます。
3.培養上清液の安全性を重視した選択のポイントは?
実際にクリニックへの導入検討をする際の選択基準について、培養上清液治療のコンサルティング及び導入提案を行う横山さんからお伺いしました。
-製品の安全性はどのようなところで判断したら良いのでしょうか?
横山:こちらの質問は実際に多くいただいています。培養上清は現在、再生医療等安全性確保法の中には規定がありません。すなわち、製品に関する法令や法規がないのです。だからこそ安全な製品をお使いいただきたいのです。大事な患者様へお使いになる製品ですので、ドナーまでトレーサビリティが取れる安全な製品をおすすめしています。
-選定ポイントなどはありますか?
横山:大きく2つあると思っています。①ドナースクリーニングを徹底して行っている ②薬機法の生物由来原料基準に則り、製造・管理している この2つがポイントとなりますね。
-何由来の培養上清を使ったら一番良いのでしょうか?
横山:現在、培養上清市場では、脂肪由来、歯髄由来、臍帯由来、このあたりが主流ですが、それぞれに特徴があります。それぞれの特徴をご説明し、投与方法や期待される効果などの説明をさせていただき、お選びいただいておりますが、中にはすべての種類を導入される先生もいらっしゃいます。
補足なのですが、中でも、臍帯由来培養上清については、指定医療機関の日本人ドナーから組織提供を受け、いくつもの厳しい検査を実施し、臨床培養士のテクニックによって製品が完成します。ドナーまで遡ってトレーサビリティが取れるので、安全性は確実に担保されます。
-最後に横山さんがご提案する際、大事にされていることを教えてください。
横山:どんな些細な質問でも丁寧にお答えさせていただくことを心がけています。また、医療機関様にとって、大切な患者様をお守りすること、いつまでも若若しく元気でいたい患者様の願いをかなえるということ、さらにたくさんの方に喜んでいただけるようなクリニックへ発展されることを応援しながら、日々、先生方へご提案をさせていただいています。
4.最後に
従来の美容医療とは違い、美容再生医療では様々な効果が期待できる「培養上清液」についてご紹介させていただきました。また、幹細胞治療を受けたくても受けられない多くの人に置き換わる治療法として美容治療の中でも注目を浴びてきているので最先端の治療を知る先生の導入は増えてきているように感じます。
そこで導入時のポイントを改めてお伝えすると
「培養上清液といってもたくさんの製品がありますが、どの製品を選んだらよいか悩んだときは、まずは安全性を重視して導入することをおすすめします。
些細なご質問でも気になったことがございましたらお気軽にご連絡ください。
【会社概要】 MRT株式会社 担当者 横山亜矢子 所在地:東京都渋谷区神南1丁目18番2号 フレーム神南坂3階 営業時間:平日10:00~18:00 公式サイト:https://vantage-inc.net/ ※培養上清液に関するご相談はこちら |