臨床に於ける安全性を審査する「臨床培養上清安全性審査委員会」が発足されました

国内の自費診療クリニックなどで普及している幹細胞培養上清。安全性を臨床の視点から審査するため、国内で初めての審査機関として「臨床培養上清安全性審査委員会」が発足されました。

今後、同委員会は幹細胞培養上清の製造施設からの申請にもとづき、新規に作成された「幹細胞培養上清安全性基準」に則って幹細胞培養上清の安全性を審査し、製造施設の承諾を得た製品に関してその結果をホームページ等で公開していくとのことです。

下記内容は、一般社団法人 日本臨床培養上清研究会のプレスリリースをまとめた記事です。


 

紹介された内容まとめ

  • 幹細胞培養上清とは
  • 国内医療施設で幹細胞培養上清を用いた治療の対象とされている疾患
  • 幹細胞培養上清が持つ潜在的な医学的価値と、安全性に関する現在の状況
  • 幹細胞培養上清液安全性基準 と 臨床培養上清安全性審査委員会
  • 幹細胞培養上清 安全性審査の具体的な流れ
  • 今後の活動予定
  • 日本臨床培養上清研究会に関する概要

 

【国内医療施設で幹細胞培養上清を用いた治療の対象とされている疾患】

  • (脳疾患)頭痛、自律神経失調症、脳出血後遺症、脳梗塞後遺症 など
  • (神経変性疾患)ALS、アルツハイマー病、パーキンソン病 など
  • (循環器疾患)心筋梗塞後遺症、突発性心房細動、高血圧、不整脈 など
  • (呼吸器疾患)COPD、気管支拡張症、喘息 など
  • (代謝性疾患)糖尿病、高脂血症、腎臓病、痛風、慢性腎不全 など
  • (消化器疾患)肝機能不全、逆流性食道炎、腸炎、慢性胆のう炎 など
  • (免疫疾患)アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、シェーグレン症候群、アレルギー体質 など
  • (運動器疾患)じん帯損傷、肉離れ、腰椎症、変形性関節症 など
  • (その他)更年期障害、歯周病、勃起障害、新型コロナウイルス感染症後遺症、健康増進 など
  • (美容目的)顔や手のお肌のアンチエイジング、薄毛治療 など

引用元:一般社団法人日本臨床培養上清研究会より

【Pick up】

✓幹細胞培養上清が持つ潜在的な医学的価値と、安全性に関する現在の状況

現在日本で再生医療を規定する法律(再生医療等安全性確保法)では、幹細胞を利用した細胞治療(cell based therapy)は再生医療に分類されますが、幹細胞培養上清を用いた治療は再生医療には分類されません。しかしながら幹細胞のセクレトームを利用した治療は前述のようなさまざまな利点を持つため、細胞を用いない治療(cell free therapy)として、次世代の再生医療技術として期待が高まっています。このような新規技術も含めた再生医療周辺産業の将来市場規模予測は2030年には国内市場5500億円、世界市場5.2兆円、さらに2050年には国内市場1.3兆円、世界市場15兆円と産業的にも継続的な発展が見込まれています。

✓幹細胞培養上清液安全性基準 と 臨床培養上清安全性審査委員会

臨床培養上清安全性審査委員会では、以下の5つの大項目からなる幹細胞培養上清安全性基準に照らして、個別の幹細胞培養上清製品の安全性を審査します。

【幹細胞培養上清安全性基準における審査項目】
I.      細胞提供者の安全性、倫理性配慮
II.     感染症に対する安全性
III.     培養工程の安全性
IV.    保存安定性、輸送管理における安全性
V.     安全性に関する情報開示、トレーサビリティー

本文は下記URLからご確認ください。
本文URLはこちら(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000110107.html