目次
自分の通院を考えた時オンライン診療を知った。患者目線でオンライン診療の必要性や可能性を伝えたい!強い想いをもつ女子高生の声。
高校2年生のYさん。「オンライン診療を拡げたい!」という強い想いから「オンライン診療」を研究課題とし、文部科学省が行う留学プロジェクトに参加。帰国後も、自らアンケート調査を行うなどオンライン診療を拡げる活動を行っている。そんな彼女の想いのきっかけは”自らの通院の困難さ”からだという。
通院方法の選択肢にオンライン診療があればどれだけ高校生活が変わったのだろうかと、通院患者目線で訴えるYさん。
自らの通院を語り、彼女の胸の内を教えてくれた。
オンライン診療を考えたきっかけ
|なぜオンライン診療を拡げたいと思うようになったのか?
初診から2年以上経った今でも月に1回専門の病院に通っています。主治医の先生は平日の午前が診療時間なのでそれに合わせて通院しています。診察が早く終わった日は3限(12:00)頃に学校に着きますが、日によって診察が混んでいることもあり、5限(13:30)に到着することもありました。
通院が始まってから半年経った時、月1回の通院が負担に感じるようになりました。
学校の単位のことも気がかりで、「学業と通院がもっと上手に両立出来る通院方法があれば。」と日々悶々としていました。自宅の近くであれば移動時間が読めるので、まずは同じような症状を診てくれる診療所が近所にあるか調べてみましたが、専門的な診療内容だったため、希望する治療を行っている診療所はみつかりませんでした。
そんな時、ビデオ診療やオンライン診療の存在を知りました。「これで今より楽に通院ができるかも!」と胸が高鳴り、オンライン診療のことを色々と調べましたが、情報が少ない上、ルールやガイドラインが厳しいということがわかりました。
期待が高かった分、適応されないかもしれないと知ったときのショックは大きかったです。
―まだ遠隔診療が拡がっていない中、「スマホで通院」という発想を持っていたのですか?
何気なく、「通院 スマホ」で検索してみたのがきっかけでオンライン診療を知りました。カウンセリングがメインの治療なのでスマホでも出来るのではないかなと思いました。
スマホは身近な存在であったため、友人とビデオ通話する感覚で主治医とカウンセリングが出来るのであれば、通学への影響も少なくなり、とても便利になるのでは?と思いました。
診察をスマホで行うことへの抵抗感や嫌悪感などは特にありませんでした。
Yさんについて
|負担がかかる通院と学生生活
―Yさんのことや通院について教えてください。
発症したきっかけは、ストイックで負けず嫌いな性格のため、体調がすぐれないときでも物事を調整できず、自分で自分をコントロールできなくなってしまいました。
治療は、投薬治療ではなく、カウンセリングによる治療なので、じっくり先生に話を聞いてもらって、アドバイスを受けます。診察は通常15分程度で長くても30分です。最近の体調や前回の診察からどういった変化があったのかなどを話し、次の治療に向けての相談をします。
総合病院なので専門的な治療が受けられることはありがたいですし、治療方法にも満足していますが、他の科目にかかっている患者さんも多く、会計の待ち時間がとても長いです。
病院まで片道2時間かかりますし、渋滞しているときもあるので、「授業に間に合わないかも…」と思うと、移動時間や待ち時間はとても憂鬱に感じられます。
通院困難とは?
▼学校
月に一回の通院と聞くと頻度が高くないように思われますが、「学校生活」+「通院」という時間の難しさを考えると非常に重要な課題となります。
学校の授業は8時30分から15時まで、また、時間割も決まっていますし、定期テストもあります。病院は「平日の午前」しか外来が設けられていなかったので、学校の予定や単位の状況により通院の曜日を変えていました。
できるだけ授業への影響が少なくなるように調整していましたが、単位はギリギリでした。
体育の授業はドクターストップで実技には参加出来ず、レポート課題を提出していました。同じように他の授業も代替課題を出してくれることが多かったので、なんとか進級・卒業の為の単位を取得することが出来ました。美術などの技能科目は2時間の出席で1単位として認められるので、2時間分の欠席を補うのは大変でした。
他の子と同じように授業時間内で単位を取ることが出来ないのはとても歯がゆかったです。
課題の量が増える中、数学などの授業についていくのも大変でした。学習内容は予備校で先取り学習していましたが、小テストのための勉強は欠席した分の授業ノートを友達に借りたり、板書の写真を送ってもらい対策していました。友人も放課後は予習復習があるので、なるべく放課後にノートを借りないように、休み時間で写しを取っていました。
幸いなことに快諾してくれる友人が多くいましたが、迷惑をかけてしまって申し訳ないという気持ちが常にありました。
▼家族
通院は、一人の時と母が付き添ってくれる時があります。
オンライン診療が可能ならば、通院の時間も、通院にかかる交通費も減らすことができると思いました。
家族にも負担をかけずに診察が受けられるのは理想だと思います。病院に通院して、実際に表情や体調を直接目で見て、診察をしていただくことは当然必要だと思います。ですが、ビデオでも表情や全身を見せることが出来ます。
Yさんの想い
私の疾患でも、状態や先生との関係性などを鑑みれば対面診療だけでなく、オンライン診療を組み合わせて、治療ができると感じています。こう考えるのは私一人ではないと思います。
患者からの要望を叶えてくれるドクターがいて、エビデンスが蓄積されれば、近い将来、ガイドライン改定も期待できるかもしれません。
▼合わせて読みたい記事
【患者向け】オンライン診療の基礎を記載!
オンライン診療とは?/流れやメリット/オンライン診療可能な疾患etc..
>>記事はこちら
▼オンライン診療・オンライン受診勧奨・オンライン健康相談など何が違う?
>>記事はこちら
MedionLife編集長。1994年生まれ 京都女子大学卒業。医療系IT企業に入社し、オンライン診療サービスの営業/コンサルティングに従事。オンライン診療情報サイトの重要性を感じたことからMedionLifeを立ち上げる。新しい医療を考える人たちのサポーターになっていきたいと考えている。