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医療事情により取り組みも異なる海外の遠隔診療
遠隔診療は日本だけでなく海外での注目度も高くなっています。国によって医療制度や事情が異なるため取り組み方は違いますが、世界的に今後の医療の大きなテーマとなっていることは間違いありません。
そこで特に遠隔診療に力を入れている国をピックアップし、取り組みや現在どのような状況なのかをまとめました。
アメリカ
アメリカでは遠隔診療の導入が爆発的に拡大しており、2015年の時点ですでに約1500万人の患者が診療を受けました。今後も毎年遠隔診療を受ける人が100万人単位で増えていくと予測されています。
高騰するばかりの医療費の影響で、医療機関を気軽に受診できないという理由などから、急速に遠隔診療の法整備が進められていきました。近年はスマートフォンなどを利用した遠隔診療により安価で24時間受診できるようになってきています。
ヨーロッパ
ヨーロッパの中ではドイツ・イギリス・オランダなどが遠隔診療の導入に関心を持っています。ドイツではそのために医師職業規則が一部改正され、現在300近くの遠隔診療モデル事業が実施されています。
イギリスでは遠隔医療・介護を企業と政府で推進。機器とサービスの品質保証制度も作成されました。オランダも遠隔医療でビジネス展開ができるか、実証段階に来ているようです。
韓国
韓国では保健福祉部がここ数年間で遠隔医療産業の育成のために予算を大幅に増額。さらに2017年の予算案の中で遠隔医療を意味する「公共医療拡充・医療伝達体制整備」を課題に挙げています。
現在、医師と医師を結ぶ遠隔医療については話は進んでいますが、医師と患者間の遠隔診療は医師会が反対を続けており、未だ導入には至っていません。課題はありますが遠隔診療推進の方向に少しずつ動いているのだとか…。
東南アジア
東南アジアは高齢化が進む中で都市と地方の医療格差解消のために遠隔診療が期待されています。シンガポールは2017年に公立病院が遠隔診療を導入することに同意。医師と患者をインターネットでつないで医療行為を行なう予定です。
マレーシアでは国家情報化政策MSCに遠隔診療を重要なテーマとして遠隔医療法を制定。
インドネシアも医療インフラが整いつつあり、保健省が中心となって遠隔診療システムの本格導入に向けて動き出しているようです。