【2022年診療報酬改定案③】オンライン医学管理 【資料&解説付き】

中央社会保険医療協議会から「個別改定項目について」にて2022年の診療報酬改定内容が公開されました。その中でオンライン診療に関連する項目は、新設される予定のものも合わせ、初診料・再診料・医学管理料・在宅管理・施設入居時医学管理料・服薬指導・訪問歯科衛生指導・外来栄養食事指導・遠隔死亡診断の計9項目あります。

今回は、オンラインを活用した「情報通信機器を用いた医学管理等に係る評価の見直し」についてのポイントと実際の改定案を合わせてご紹介いたします。

 

ポイントをおさえよう

  • 算定可能な医学管理料を整理・追加するとともに、点数を引き上げ
  • 検査・処置等を伴わない医学管理料を算定可能として追加し、現行の9種類から20種類へ増加
  • 点数は、全て対面の場合の87%として設定
  • 情報通信機器を用いて行った場合の医学管理等(医学管理料)については、14種類が追加された
  • 評価見直し:現行においても情報通信機器を用いた場合の点数が設定されているが、評価の見直しを行った医学管理等(医学管理料)

令和4年度診療報酬改定の概要 【全体概要版】厚生労働省のキャプチャより

上記画像「令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項( 厚生労働省保険局医療課)」のキャプチャより

 

↓「中医協 総-1 4.2.9 個別改定項目について」より転記

③ 情報通信機器を用いた医学管理等に係る評価の見直し

第1 基本的な考え方
新型コロナウイルス感染症に係る特例的な措置における実態も踏まえ、情報通信機器を用いた場合の医学管理等について、要件及び評価を見直す。 

第2 具体的な内容
情報通信機器を用いて行った医学管理等については、以下のとおり整理する。

  • 検査料等が包括されている医学管理等については、情報通信機器を 用いた実施を評価の対象としない。
  •  上記以外の医学管理等については、以下に該当するものを除き、評価の対象とする。 
  1.  入院中の患者に対して実施されるもの
  2.  救急医療として実施されるもの
  3. 検査等を実施しなければ医学管理として成立しないもの
  4.  「オンライン診療の適切な実施に関する指針」において、実施不可とされているもの
  5. 精神医療に関するもの

 

1.検査料等が包括されている地域包括診療料、認知症地域包括診療料 及び生活習慣病管理料について、情報通信機器を用いた場合の評価対象から除外する。

改 定 案 現 行
【地域包括診療料】 【地域包括診療料】
[算定要件]

(削除)

[算定要件]

注4

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、区分番号A003に掲げるオンライン診療料を算定する際に地域包括診療料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、注1の規定にかかわらず、所定点数に代えて、地域包括診療料(情報通信機器を用いた場合)として、月1回に限り100点を算定する。

[施設基準]

(削除)

[施設基準]

(3)

地域包括診療料の注4に規定する施設基準 オンライン診療料に係る届出を行っている保険医療機関であること。

※ 認知症地域包括診療料及び生活習慣病管理料についても同様。

2.ウイルス疾患指導料、皮膚科特定疾患指導管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、がん患者指導管理料、外来緩和ケア管理料、移植後患者指導管理料、腎代替療法指導管理料、乳幼児育児栄養指導料、療養・就労両立支援指導料、がん治療連携計画策定料2、外来がん患者在宅連携指導料、肝炎インターフェロン治療計画料及び薬剤総合評価調整管理料について、情報通信機器を用いた場合の評価の対象に追加する。

改 定 案 現 行
【小児悪性腫瘍患者指導管理料】 【小児悪性腫瘍患者指導管理料】
[算定要件]

注5

別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、小児悪性腫瘍患者指導管理料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、小児悪性腫瘍患者指導管理料(情報通信機器を用いた場合)として、479点を算定する。

[算定要件]

(新設)

[施設基準]

(8)の2

小児悪性腫瘍患者指導管理料の注5に規定する施設基準情報通信機器を用いた診療を行うにつき十分な体制が整備されていること。

[施設基準]

(新設)

※ ウイルス疾患指導料、皮膚科特定疾患指導管理料、がん性疼痛緩和指
導管理料、がん患者指導管理料、外来緩和ケア管理料、移植後患者指導管理料、腎代替療法指導管理料、乳幼児育児栄養指導料、療養・就労両立支援指導料、がん治療連携計画策定料2、外来がん患者在宅連携指導料、肝炎インターフェロン治療計画料及び薬剤総合評価調整管理料についても同様。

参照:
個別改定項目について 中医局 総-1(令和4年2月9日)
令和4年度診療報酬改定の概要 【全体概要版】厚生労働省 保険局 医療課長 井内努 (令和4年3月4日版)
>>まとめた資料はこちら *
令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項 厚生労働省保険局医療課 (令和4年3月4日版)
>>まとめた資料はこちら *

令和4年度診療報酬改定の概要 個別改定事項Ⅱ(情報通信機器を用いた診療)厚生労働省保険局医療課 (令和4年3月4日版)
>>資料はこちら 
*遠隔医療(情報通信機器を活用した診療)に関する部分をまとめた資料

 

▼2022年オンライン診療ガイドブック一覧

▽ 自由診療及び遠隔健康医療相談含むガイドライン資料(指針)

  • オンライン診療の適切な実施に関する指針

▽ 保険診療にて行う場合

  • 【特設:時限的】電話再診算定とコロナウイルス
  1. 【新設】オンライン診療 ~初診料
  2. 【新設】再診料※オンライン診療料廃止
  3. 【見直し】オンライン医学管理
  4. 【見直し】在宅時:オンライン在宅管理
  5. 【新設】施設入居時:オンライン自宅管理
  6. 【新設】訪問歯科衛生指導実施
  7. 【見直し】オンライン服薬指導
  8. 【見直し】外来栄養指導
  9. 【新設】遠隔死亡診断
  10. 【Q&A】オンライン診療に関する疑義解釈

 

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